「 採用2.0 」時代
「採用」はHR/人事部署の中でも最重要項目の一つであり、最も予算を割く活動である。とりわけ、新卒一括採用を行う日本企業の多くは、将来活躍しそうなポテンシャルの高い人材の候補者をいかに惹きつけるかに重きを置いてきた。比較的、転職がマイナーな日本の労働市場では、いかに新卒採用で優秀な学生を獲得できるかが「人事部採用課」の腕の見せ所であるのだ。
しかしながら近年は、優秀な候補者の母集団の大きさで採用の良し悪しが決まる「採用1.0」の時代が終わりに近づき、「採用2.0」時代の幕開けであると言われてきた。
採用2.0の時代には、候補者の母集団をいかに大きくするかではなく、ヒトに関するデータを蓄積、分析し、どれだけ「ハイパフォーマー(優秀な人財)」を選考できるかが重要であると言われている。
専門的に言えば、採用とは本来「Recruitment & Selection」のセットで優秀な人財群を魅了し、母集団の中からスキル・マインド面で組織に最もフィットする人財を選考するまでを内包するべきなのである。大きな母集団を形成したとしても、最終的に採用できる人数には限りがあるケースが多く、どのようなペルソナが組織の求める要件に合致しているかを、根拠をもって漏斗のように選択することが求められる。
根拠をもった選択を行うためには、組織が求める解像度の高い人物像をスクリーニング担当者、そして面接官の間で共有する必要がある。抽象度の高いコンピテンシーや雰囲気重視の選考フローでは、面接官のバイアスや感情によって大きく左右され、再現性のある選考を実施することは不可能である。
そのため、面接官が根拠にすべき人物像を、求める人財要件定義に沿って作成することが必要である。たいていの場合、組織内で模範とすべき優秀な人財が部署や職位、職種ごとに存在するため、このような活躍人財に共通するスキル、性格面に法則性を見出すことが最も効率的かつ失敗のない選考のカギとなる。360°評価や勤務実績、パルスサーベイ、エンゲイジメント調査、転職回数や勤続年数など分析可能なデータが数多企業に眠っているケースは多い。こういったデータを有機的に分析、活用をすることでデータドリブンかつ再現性のある選考を行うことが可能になるのである。
最後に
-優秀だと思って採用した人財が期待通りの活躍をしてくれない
-定着率が低い/退職率が高い
-採用(広告)費にかなりの投資をしているがあまり成果がでない
このような課題をお持ちの企業経営者・人事担当者の方は、採用方法ではなく、選考方法に関して考えてみる必要があります。
弊社は、HR歴30年の「採用・選考のエキスパート」やPeople Analyticsの専門家を多数抱えており、Human Resource Managementの観点から採用精度向上のご支援を行っております。
(D.S)