今回はヨーロッパのビジネス誌から、興味深い記事をご紹介します。
アメリカ合衆国労働省労働統計局 によれば、73%の HR マネージャーは女性であるという。 HR としてのキャリアに魅力を感じる女性の数は増加し続けている。女性は今まであった職位を再発明しているという。それではなぜHR領域における女性の比率が多い傾向にあるのか考えてみることとする。
旧来のパフォーマンス評価を廃止する
大半の人はパフォーマンス評価に慣れ親しんでいるだろう。 HR マネージャーは職務リストの下の方まで見渡し、それぞれの項目の達成度合いについて話し合う。今日、多くの女性HRマネージャーが成し遂げたこととして挙げられるのは伝統的なパフォーマンス評価を廃止したことである。多くの女性HRマネージャーは汎用的で全てに当てはまるようなパフォーマンス評価は効率的でないことを熟知している。各従業員の特定の責任やどのように彼らが取り組んでいるかなど定性面に注目する方が生産的であり、企業の収益に直結するのである。従業員と話し、目標達成及び職務の完遂を行う上でよりよい方法について彼らの意見に耳を傾けることこそ女性HRマネージャーが行ってきた偉業である。
職場におけるダイバーシティ促進
女性HRマネージャー は企業における従業員のダイバーシティー向上に多く貢献してきた。多様な組織のみが全体のビジネスゴールに貢献すると知っているからである。女性HRマネージャーは様々な年齢、人種ジェンダーそして宗教的バックグラウンドを持った人々にリーチするような採用戦略を活用する。企業で多様な従業員を登用することはそれぞれが持つ独特な貢献を意味する。また、候補者のインタビューを行う際に、女性HRマネージャーは独特かつ有用なタレントとスキルを持った候補者にアプローチする方法とそれを引き出す質問内容を心得ている。徹底して効率的なインタビュースタイルによって協力で生産的な従業員集団を獲得できるようになる。
従業員エンゲイジメントを高める
女性のHRマネージャー は企業内でエンゲイジメントの高い従業員を持つことの重要性を心得ている。従業員ひとりひとりがプロジェクトの一員であることを感じれば感じるほどより全体的な生産性が上がることも心得ている。そのため、女性HRマネージャーは従業員の士気を上げるための一連の活動を検証する際にクリエイティブになることを恐れないのである。生産的になるだけでなく、こういった活動はリテンションに役立つのである。離職率が少なければ、時間を省き、新たな従業員の研修費や退職する従業員が他の職場を探す手間もなくなるからである。つまり、規模の大小問わず企業経営者にとって質の高い従業員の確保は非常に重要である。
従業員の強みを引き出す
企業にとって最も適切な人財を慎重に採用した後、 女性HRマネージャー は各従業員のスキルとタレントをどう評価すればよいか熟知している。これによって可能な限り最も良い方法で人財を活用できるようになる。また、単に新入社員を空いたポジションに投入することが会社のパフォーマンス向上につながらないことも把握している。例えば、新入社員が数か国語の話者である、専門的なリサーチスキルを持つ、コンピューターテクニックへの専門的な理解がある、卓越したコミュニケーションスキルを持つ場合、これらのスキルが組織で活かせるようなポジションに配置した方が良い。新入社員のスキルを詳しく掘り下げることに時間をかけることで組織にとって必ず有益なものとなるだろう。採用・選考や従業員のマネジメントに新鮮なアプローチを取る女性HRマネージャーに対する需要は多くの業種業態で高まり続けるだろう。いかなる業種の経営者や企業はクオリティの高い従業員の採用、保持のやり方に熟知したHRマネージャーを雇いたいと考えるはずだ。
(D.S)