こんにちは。コンサルティング&ソリューション事業部の田中です。弊社では、イギリスのICS Learn社と提携し、CIPD資格付与コースのお取り扱いをしています。2022年7月より、私自身、Level5のコースの受講を開始しました。CIPD体験記をできる限りリアルタイムで書いています。CIPDにご興味がある方、詳しく知りたい方、Linkedinからお気軽にメッセージをください!
今回は、CIPD資格取得のための課題について、ご紹介いたします。
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Level5コースでは、7つのモジュールの学習が必要です。7つのモジュールそれぞれで課題を提出し、全ての課題にクリアすると合格となります。
【目次】
課題の量
課題提出から合格まで
差戻になるケース
課題に合格できない場合にはどうなるのか?
CIPD課題が変更になります!
課題の量
課題の中には、複数のAC(Assessment Criteria)が存在し、ACごとに4段階で評価されます。評価は、1:Fail、2:Low pass、3:Pass、4:High Passの4段階です。全てのACで2以上の合格点を取得することが合格の条件です。1つでも「1:Fail」があると、不合格となります。
また、タスクごとに単語数が決まっており、決められた単語数±10%の範囲で回答を作成する必要があります。
モジュールごとのACの数と単語数は下記の通りです。
【Professional behaviours and valuing people】
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【Organisational performance and culture in practice】
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【Evidence-based practice】
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【Employment Relationship Management】
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【Talent Management and Workforce planning】
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【Reward for Performance and Contribution】
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【Well-being at work】
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課題提出から合格まで
前項で述べたように全てのACが合格点に達するまで、課題を提出する必要があります。ICSLearnでは受講期間が定められており、Level5の受講期間は18か月です。18か月の間に全ての課題を提出し、合格点を取る必要があります。ICSLearnの学習プラットフォーム上で全ての課題に合格すると、ICSLearnからCIPDに課題の提出を行い、CIPDによる審査が行われます。私は現在、この審査待ちの状態です。審査は2~3ヶ月かかるようです。CIPDによる審査が完了すると、受講期間内であってもICSLearnの学習プラットフォームへのアクセス権がなくなります。
ACごとのスコアの合計がモジュールのスコアとなります。モジュールごとの合計スコアと評価は次の通りです。
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課題提出のチャンスは、ドラフト1回+サマリー3回です。ドラフトでは、1~4の評価はされませんが、提出した回答に対して建設的なフィードバックを受けることができます。ドラフトで提出できるACは3つまでです。サマリーでは、ACごとの評価とフィードバックを受けることができます。
私は時間がなかったこともあり、サマリー1回目でACの解釈が間違っていないことを確認→自信がないACや評価が低いACをドラフトで確認→サマリー2回目で全てのACで合格点を取る→サマリー3回目でブラッシュアップ、という計画を立てていました。しかし、合格点を得たACへの回答は、次の提出以降、変更できないことが分かりました。初回からよく推敲し、提出した方が良さそうです。(実際、私が提出した中で評価が良かったモジュールは、一度書き上げた後に全てボツにして、書き直したものでした。)
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課題の提出からフィードバックまでは、最大15営業日かかります。15営業日を過ぎるまでは、待つしかありませんので、課題は余裕をもって提出することをオススメします。
参考に私の実績を記載しておきます。各課題ごとに、提出日とフィードバック日を記載しています。採点センターの混み具合等によりフィードバックまでの日数にはバラツキがあるようです。
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提出した課題に不備がある場合には、差戻となります。上の図で「初回提出」に日付が入っているモジュールは提出物に不備があり、採点者に受け付けてもらえず差戻となったことを意味します。
差戻になるケース
課題の提出については、アセスメントガイドラインで厳密に定められており、ガイドラインに沿っていないものを提出した場合には、差戻となります。私の実績では、「2週間待って差戻!」というケースもありましたので、提出前にガイドラインを再度確認し、チェックしましょう。
下記は私が差し戻されたケースです。
ドラフトで3つ以上のACを提出している
ドラフトで提出できるACは3つまでです。4つ以上のACを提出した場合には差戻となります。
カバーシートで「ドラフト」にチェックをつけているのに「サマリー」に提出している
ドラフトとサマリーでは提出リンクが異なります。提出先を間違えないように注意しましょう。
ACを統合している
ACごとに見出しをつけ、回答を作成する必要があります。ACを統合して提出した場合には差戻となります。1つの見出しで1つのACに対する回答を作成するようにしましょう。
日付が正しくない
サマリー2回目の提出時にサマリー1回目と同じ日付を記載していました。ケアレスミスに注意しましょう。
wordファイル以外の文書を提出している
提出物は全てを1つのwordファイルに統合する必要があります。成果物にスライドデック(プレゼンテーション資料)が含まれる場合でも、wordファイルの中にスライドの画像を入れる対応をする必要があります。
データの解釈でグラフ以外を含めている
データの解釈をするACに考察を含めており、差戻になりました。
1つのACに規定数以上のスライドを含めている
プレゼンテーション資料を作成する課題で1つのACに含められるスライドは3枚以下だったのですが、4枚以上のスライドを含めてしまっていました。(no more thanをno less thanと読み違えていました・・)
その他、下記のケースでの差戻もあるようです。
カバーシートをつけていない
課題提出の際には、カバーシートをつける必要があります。カバーシートのひな型が提供されています。課題提出の際には、必ずつけるようにしましょう。
カバーシートに手書きの署名がない
カバーシートには、Wet Signature(手書きの署名)を入れる欄があります。手書きの署名の写真を撮り、加工してwordファイル内に画像として挿入するやり方でOKでした。
単語数が規定範囲内ではない
回答は、指示された単語数の±10%の範囲で作成する必要があります。wordの校閲メニューから単語数の確認ができますので、規定内に収まっていることを確認しましょう。
課題に合格できない場合にはどうなるのか?
課題に合格できないケースとしては、下記の2点が考えられます。
①サマリーを3回提出したが、合格点を取得することができなかった
この場合には、新しい課題が与えられます。
②受講期間内に全モジュールの課題が完了しなかった
受講期間を延長することができます。ただし、別途料金となります。下記は2023/7/20時点の延長料金です。料金は変更になる場合があります。円換算も記載しておきますので目安としてご確認ください。受講期限の1ヶ月前までに申込が必要です。
延長期間 | 料金 | 円換算 (180円/£) |
1ヶ月 | £60 | ¥10,800- |
2ヶ月 | £95 | ¥17,100- |
3ヶ月 | £135 | ¥24,300- |
6ヶ月 | £250 | ¥45,000- |
12ヶ月 | £500 | ¥90,000- |
課題提出からフィードバックまでは、最大15営業日かかることを考慮し、余裕を持って課題を提出するようにしましょう。私の場合、Organisational performance and culture in practiceがフィードバックまでの時間が長かったので、再提出の際には自分が作成した課題の内容について、思い出す時間も必要でした。
CIPD課題が変更になります!
CIPD Level5は、3つのCoreモジュール、3つのSpecialistモジュール、1つのOptionalモジュールで構成されています。(詳しくはこちらの記事からご確認ください。)
CIPD資格付与を行う全てのセンターは、Coreモジュールを毎年、SpecialistとOptionalモジュールを2年に1回更新する決まりになっています。盗作の防止や時代にあった課題にするために行われているようです。ICSLearnの場合、2023年はCoreモジュールとSpecialistモジュールの更新の年にあたり、2023/8/1に新課題が発表されました。2023年版の課題については、こちらの記事からご確認ください。
この更新のためのサマリー1回目の提出期限が2023/6/30でした。私はこの更新のアナウンスを見逃しており、2023/4中旬に気付き、8月まで待ちたくない!と思ったため、慌てて課題を提出するハメになりました。後日のICSLearnからのお知らせによると、サマリー1回目の提出期限である2023/6/30には、センターに約900件の課題の提出があったそうです!
学習プラットフォーム上のお知らせをこまめに確認し、余裕をもったスケジュールで学習することをオススメいたします。
今回は、記念すべき100回目のコラムでした。お付き合いいただき、ありがとうございました!