当お悩み相談でよく寄せられるご質問で多いものの中に、「 エンゲイジメント 」や「 やる気 」のない社員をどうにかしたいというのがあります。従業員アンケートを行うと決まって、「給与・賞与や福利厚生」に関する不満事項ばかりがフィーチャーされ、中々手が付けられていない企業経営者の方々が多くいらっしゃるのが現状です。とりわけ、現在の経済状況下で全社的に給与をアップするのは難しく、ベースアップをしたからといって持続的なエンゲイジメント向上につながるという訳ではありません。
Putra, Cho, and Liu (2017)のエンゲイジメントに関する研究では、職場や仕事への誇りなどの内発的動機付けはエンゲイジメントスコアに起因するが、金銭面などの外発的動機付けは統計的にエンゲイジメントスコアと正の相関が見られないことを指摘しています。もう少し、細かく説明すると外発的な動機付けは短期間でのロイヤリティUPにはつながるものの、1年足らずで下降する可能性が高いと指摘されているのです。業界水準レベルの給与が担保されているという条件付きではありますが、金銭的インセンティブは持続的なエンゲイジメント向上にはつながらないことが多くの研究者によって証明されてきました。
エンゲイジメントスコアが下がると、離職率増加や採用コストの圧迫、生産性の低下、イノベーションの後退、ヒューマンエラーの増大、プレゼンティズムの横行など、会社が傾く原因の多くがこれらに収縮されていると言っても過言ではありません。そのため、エンゲイジメントに気を配ることは非常に重要です。
しかしながら、エンゲイジメントが低下する原因は多岐に渡ります。同じ職場であれば従業員がある程度近似した不満事項を持つことは多くありますが、推測して早合点せずにこの課題を詳しく探求していくことこそがHR領域における企業努力であります。
弊社が取り組んだ事例の中でも、課題原因を誤って想定していたため、課題解決どころか単に工数がかかってしまい、エンゲイジメントスコアに嫌気がさしてしまったという企業様も多くいらっしゃいました。直近の例で申し上げると、「リモートワーク」を開始して以来、従業員同士のコミュニケーション量や飲み会の頻度が減り、新事業の進捗が上手くいかないと嘆く企業様がいらっしゃいました。弊社のサーベイを活用して、課題を追究していくと「リモートワーク」は原因ではなく、単にそれによって諸問題が顕在化されただけという結果になりました。
エンゲイジメント の改善は急がば回れで、課題の原因を早合点すると余計問題が複雑してしまうことが多々あります。
エンゲイジメントスコアについての課題を解決したい経営者の皆様、人事/HRのご担当者様はこちらからお問い合わせ下さい。
(D.S)