アメリカのHR団体SHRMによるジョブディスクリプションの作り方を2回に分けてご紹介いたします。(後編)
作成手順
Step1:業務分析を行う
Step2:必須機能の構築
Step3:データを正確に整理する
Step4:免責事項の追加
Step5:署名欄の追加
Step6:完結
Step3:データを正確に整理する
ジョブディスクリプションの構造は企業により様々である:
しかしながら企業におけるジョブディスクリプションの全ては標準化され、同じ外観をしていなければならない。以下のようなトピックを含まなければならない。
- 日付: いつジョブディスクリプションが書かれたか
- 職務タイトル: ポジションの名前
- 分類: 労働基準法 (FLSA)における適用対象外、非適用対象外、正規あるいは非正規雇用
- 給与等級/レベル: 最小あるいは最大賃金帯を含む同一もしくは類似した職務がどの報酬レベル、賃金体系に属しているか
- 直属: 職務が直属するポジションタイトル
- 日付: いつジョブディスクリプションが書かれたか
- ポジションタイトル: ポジションの名前
- 当該ポジションの目的: ポジションが遂行すべきこと、それが別のポジションあるいは組織にどのような影響を与えるか
- 監督責任: 直接報告そして監督責任の度合い
- 職務要約: 職務責任の概要
- 必須の機能: タスク、義務そして責任の詳細
- コンピテンシーとポジション要件: 知識、スキルそして能力 (上記参照)
- 量的・質的基準: 職務遂行に必要な最低レベルの基準
- 労働環境: 室温、騒音レベル、室内もしくは室外活動もしくは職務遂行に際して候補者の労働条件に影響を与える他の要因
- 学歴と経験: 業務遂行に必要なレベルの教育水準
- 付加的な応募資格: 資格や産業特化経験特定の機器やソフトを用いた実務経験
- 各タスクにかかる時間: 100%のうちの各タスクのパーセンテージ
- 身体的要求: 荷降ろし、運転の有無を含む職務に関する身体的要件
- 労働条件: シフト、残業要件
- 計画外の活動: 他の義務等
- ポジションタイプと労働時間: 常勤あるいは非常勤、労働時間やシフト、勤務日、残業の有無等
- 移動: 泊りを含む国内外出張(特定の場所や国)の有無や見込まれる移動の割合
- 積極的是正計画/平等雇用機会声明 (AAP/EEO): 連邦事業請負業者要件/慣行及び平等雇用者機会声明に関する概要
- 他の義務: Step4 参照
Step4:免責事項の追加
ジョブディスクリプションが必ずしも従業員に求められる活動や義務そして責任を包括的に網羅するように設計されていないことを示す記述がある方が良い。
Step5:署名欄の追加
署名はジョブディスクリプションを有効化させる重要な事項である。これによりジョブディスクリプションがすべてのレベルのマネジメントに認可され、従業員.が要件や必須機能及び責任に関して理解を示したことを証明できる。署名はCOO (最高執行責任者)や管理者そして従業員を含む必要がある。
Step6:完結
上位管理職からのレビューや承認を得るため、ジョブディスクリプションのドラフト作成を行う。ドラフトを作成することによってジョブディスクリプションを適用する前に上位管理者がチェックを行い、詳細に関して事前に修正をかけることができる。
チェック完了後に、必要に応じて加筆修正を行い、フォーマットの変更をかける。最終承認に際し、最後にもう一度管理職者に送信する。最終版ジョブディスクリプションは安全な場所に保管し、職務掲載やインタビュー、(障がい者のための)特別配慮要請、報酬レビュー/評価、パフォーマンス評価の際に使用。雇用者は組織内のイントラネットに掲載する方が尚良い。
(D.S)