弊社顧問弁護士櫛田悠介氏寄稿!企業法弁護士が語る「コロナ禍」での従業員満足度調査 ~Voice!for HRM Vol.25 ~

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新型コロナウイルスの大流行・全国規模での自粛要請により、リモートワークに懐疑的であった企業の多くが苦渋の決断を迫られることとなった。東京都主導の下行われた2020年6月30日の調査では、回答企業(n=2034)のうち57.8%が全面的あるいはハイブリッドでのテレワークの導入に踏み切っていたことがわかった。しかし、テレワークの導入と共に、「生産性維持が難しい」「士気が下がる」といった問題に頭を悩ませる経営者が続出した。また、日々のオペレーション上でもスムーズな業務遂行を阻む多くの問題が介在する。

電子化・クラウドサービスを推進するペーパーロジック社による「リモートワーク・テレワーク」に関する調査では、回答者(n=111)の半数近くが、「対面に比べ、リモート上でのコミュニケーションが難しい」と答えた。リモートワークは自宅で働ける便利さとは裏腹に様々な弊害がありそうである。組織内のコミュニケーションがどのように変化したかまた従業員がどのような悩みや不安そして不満を抱いているのか定期的に調査することが今まさに求められているのではないだろうか。

そこで今回は、企業法を専門とする櫛田悠介弁護士に「テレワーク」と「従業員調査」というテーマで話を伺った。

—–(以下、櫛田弁護士寄稿)—–

新型コロナウイルスの「第3波」が到来している昨今,新たな働き方としてリモートワークを採用している企業も多数存在する。リモートワークは通勤時間や移動時間が無くなるという大きなメリットが存する反面,社内における交流の機会が減少ないし欠落し,新たな働き方における各々の社員についての仕事ぶりの評価方法が不透明になる等のデメリットも存在する。

また,在宅時間が増えることで,社員は自らを省みる機会が増え,自分が帰属している職場への評価等も改めることもあろう。会社と社員の間に問題が存在している場合,自分で考えて行動することができる優秀な社員から転職していくことが考えられる。

会社が社員の満足度等に関する現状を把握しきれず,労働問題(ないし不満)が発生しているのに対策が後手になっていると,不況に加えて争訟といういわばダブルパンチを喰らってしまうことで,経営が傾いてしまいかねない。

自らが帰属する会社について各々の社員がどう思っているのか,どこに満足しており,どこに不満を感じているのか,HRMの考え方や満足度を調査するアプリケーション等を適切に使用することで人事面のリスクを下げる必要があるだろう。

櫛田 悠介
弁護士
京都市出身
京都大学法学部・法科大学院修了。弁護士法人KM総合所属

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櫛田弁護士との顧問契約および櫛田弁護士のプロフィールについては、こちらをご覧ください。

(D.S)