MBA取得後アリババやTikTokでソーシャルメディア・インフルエンサーマーケティングに従事。2018年最も影響力のあるコンテンツマーケティング賞を受賞。SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティングのプロNitika Whig氏が語る、パンデミックを生き抜くための「 HR術 」を公開します。
パンデミックが各産業に大打撃を与え、自宅勤務は今や選択肢の一つではなく、標準的なものとなった。初期段階では、自宅勤務は従業員の体調が悪い時や短い間休暇を取りたい時の特権であり、フレキシブルな働き方の一つであった。しかしながら、世界中でCovid-19がパンデミックとして認定され、企業は従業員の自宅勤務を奨励しチームごとの働き方やコミュニケーションの取り方を再定義する必要に駆られた。リモートワークが「ニューノーマル」となり、HRは従業員がコミュニケーションを行える場を提供し、効果的な労使関係の維持を行うための新たな方法を模索しなければならない。通常のオフィス環境ではマネージャーがチームの信頼性と責任を担い、従業員がいかなる懸念事項に関してもマネージャーあるいはHRに相談できるため、リモートワーク環境においても労使関係を改善する必要性がある。しかし、チームの自宅勤務化によって各タスクのデッドラインや業務生産性を管理し、諸問題を解決することは難しくなるかもしれない。リモートワークへとスムーズに移行し、支援的な仕事文化を提供するため、以下のような「ベストプラクティス」を収集した。これらのプラクティスはマネージャーそしてチームの手助けになるだろう。
ゴール設定
各チームが自宅勤務を行う際の最大の課題はオフィス勤務時と同様の生産性を保つことである。自宅で別のことに気が散らないようにマネージャーは、測定可能な結果と共にすべての従業員のゴールを事前に定義し、各タスクのデッドラインを設定しながら従業員を「新しい型に流し込む」ことが必要である。
必要なツールとテクノロジーの提供
オフィスで働く際には、従業員は好きなように必要なツールをいつでも使用できるためより効率的に働くことができる。従って、自宅勤務をより生産的かつ容易なものにするために、基本的なツールそして機器(コンピューター、ソフトウェア、ネット環境、文房具など)を提供するべきである。
自宅勤務政策・ルールの策定
自宅勤務中に従業員が各々どのように時間を活用しているかを追跡するのは難しいものの、事前に定義された自宅勤務ルールがあればリモートワークの快適さを悪用することを防げるであろう。各チームもスマート機器を用いることで出欠問題・アブセンティズムに関する時間・コミュニケーションの管理をセルフサービス形式で行える。このようにして、諸問題の発生を未然に防ぐことができる。
マネージャーのトレーニング
自宅勤務者に対してマネージャーが非支援的であれば、諸問題の発生につながるだけでなく従業員満足度の低下につながる。HRエグゼクティブは各リーダー・マネージャー陣に公式のトレーニングを提供し、最新のリモートチーム支援スキルそしてリモートワークに関する「ベストプラクティス」を共有することが必要である (最新のコミュニケーションツール学習など)。
定期的にモチベーションを与える
励まし・勇気づけと定期的なコミュニケーションは常に組織の成功要因である。従業員の士気向上にはマネージャーからの認識とモチベーションが必要不可欠であり、HRエグゼクティブはデジタル版の報酬と表彰といったような従業員のモチベーションを高め、 ピアレコグニション (同僚内表彰)を奨励するためのリソースを模索するべきである。
リモート従業員に権力移譲を
従業員は自らのアイデアが共有され、自分たちが意思決定プロセスの一旦を担っていると悟ると最高のパフォーマンスを発揮する。マネージャーはリモート従業員のコミュニケーション、ブレインストームセッションの参加そして意思決定の奨励を行うべきである。
チームビルディング
自宅で勤務していると孤独を感じたり、オフィスで近くに座っていた同僚を恋しいと感じる時がある。そのたチームの関係性を強めるために、ヨガセッションやカラオケセッションなどチームビルディングエクササイズを含むバーチャルチームビルディングセッションを行うことが必要不可欠である。これによりワークライフバランスを促進できる。
キャリアアップと学習機会
自宅勤務によって今まで通勤に費やしていた莫大な時間を節約することが可能になった。HRエグゼクティブは昇進機会や新たなスキル獲得のための学習機会を与えることで余った時間を有効に活用する手助けをするべきである。業務後の息抜きとなる音楽やダンスなど業務とは関係のないコースを従業員に奨励することも重要である。
従業員に寄り添う
最後に従業員に寄り添うことが大切である。諸問題の解決や単に彼らに耳を傾けることであるかもしれない。共通のテーマとしては従業員と十分なコミュニケーションを取ることである。自宅勤務は精神的にそして身体的にも負担となることがある。そのため従業員が十分な休憩を取っていることを確認し、定期的にキャッチアップをしながらある種の帰属意識を与えることも重要である。リモートワークの結果、社会と分断されていると感じる従業員も多く、HRエグゼクティブは各チームとの強いつながりを築き、自宅勤務が生産的であり有益であることを確証する必要がある。
前編ではパンデミック・リモートチーム下でのHRの果たすべき機能について説明した。次回は具体的にどのようなツールを使って、組織におけるHRを効率的にできるのか説明することとする。
(Nitika Whig)