Covid-19は働く女性にどのような影響を与えるか ~Voice!for HRM Vol.17 ~

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英国でもっとも有名な HRM サイトから興味深い記事をご紹介します。

https://www.peoplemanagement.co.uk/experts/legal/how-has-covid-19-affected-working-women

2020年10月6日 By Anne Pritam and Leanne Raven

Anne PritamとLeanne Ravenは女性従業員に与えるパンデミックの影響またビジネスへの法的な影響に関して述べる。McKinseyの報告書によれば女性の職は男性のそれと比べパンデミックの影響を受けやすいという。たいてい、給料の伴わない世話・介護の負担は女性が担い、ホスピタリティやリテール業といったパンデミック渦で斜陽する産業に従事する女性が非常に多いためである。それでは、英国の労働法の観点から、こういった傾向はどのように雇用者に影響するのだろうか。平等法2010によって女性は職場での過剰な性差別やセクシャルハラスメントに関してだけでなく、女性が被る不利益の出どころが微妙な場合でも主張を提示することができる。一見したところ中立的な規定は女性に不利に働くのである。つまり女性の仕事生活を傾けることとなる。

直接的・間接的な差別

パフォーマンス

IFSの統計によれば、賃金労働に従事する際に母親は父親に比べ、妨げとなるものが多くそのためパフォーマンス低下など数値的な影響につながるという。究極的には、パフォーマンスが選考基準となる場合、解雇や失業のリスク増加につながる。あるいは昇進・出世機会を損失したり、2020年期のボーナスを検討する際に不当に扱われる可能性を含む。パンデミック渦で女性従業員が抱える多様な責務を考慮しているかどうかなど雇用者がどのようにこういったシチュエーションを管理しているかによって、差別に関する「クレーム」を招くか否かが決まる。英国の企業における意思決定者の大半は男性であることは覚えておくべきである。果たして彼らはこういったリスクを警戒しているだろうか。

フレキシブルワーキング

給料の伴わない世話・介護に関する上記のような傾向を鑑みれば当然であるが、女性は男性に比べはるかに頻繁にフレキシブルワーキング要請を提出する傾向にある。Covid-19の文脈では、企業が従業員に職場(オフィス)復帰を求めたり、通常時間業務によってフレキシブルワーク要請が却下されると、不当に扱われたと感じる女性従業員からのクレームにつながる。だからといって自宅勤務を続けることが答えになるというわけではない。女性従業員よりも男性従業員がオフィスに出勤する「ニュー・ノーマル」は不公平になり得る。自宅で勤務する女性は出世やネットワーク増幅につながるカジュアルな井戸端会議に参加する機会を逃すかもしれない。 オフィスでの日々のメンタリングやコーチングの恩恵を受ける事ができない。 こういった問題はキャリアアップという観点で男女間格差を広げることになる。シニアポジションを希望していた中間層で、不満を抱える女性従業員は労働裁判所が思っていたよりも自分たちの状況に同情的であり平等法に則って問題を取りあげられると気づくかもしれない。

男女間賃金格差

女性はCovid-19の結果職を失うリスクが高く、若年層の労働者はパンデミックのダメージを受けやすいホスピタリティ、リテール、アート業界の多くを占めているためその影響は大きい。卒業生採用が危機的状況であることを考えれば、自分たちの将来に投資をしたのにも関わらず仕事の無い女性が増えることが予測できる。同時に、多くの組織はパンデミック渦で男女間格差問題に取り組まなければならない。その結果、男女間賃金格差報告書はますます広がる不平等さを反映している。雇用主は男女間格差がPR的に重要であるためこういった問題を理解し説明していく必要がある。また優秀なタレント(人財)を魅了し、そしてリテンションを行っていくためには必要不可欠である。

(D.S)

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