戦略的要員計画(SWP:Strategic Workforce Planning)とは何か?SWPをサポートする手段は? ~Voice!for HRM Vol.99~

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こんにちは。コンサルティング&ソリューション事業部の田中です。弊社では、イギリスのICS Learn社と提携し、CIPD資格付与コースのお取り扱いをしています。2022年7月より、私自身、Level5のコースの受講を開始しました。CIPD体験記をできる限りリアルタイムで書いています。CIPDにご興味がある方、詳しく知りたい方、Linkedinからお気軽にメッセージをください!

今回は、戦略的要員計画(SWP:Strategic Workforce Planning)についてご紹介します。

多くの企業が、人材の重要性を認識しており、人材の育成に多額の投資を行っています。HRマネージャーは、全ての個人を最大限に活用する方法と、組織の将来をサポートする人材プールを構築する役割を持ちます。

将来何が起こるか?そしてそれに備えるために何ができるのか?
誰が仕事をするのか?誰をスキルアップさせるのか?どのようなスキルを習得させる必要があるのか?
予測される仕事に対して、戦略的な要員計画を立てる必要があります。

SWP(Strategic Workforce Planning):戦略的要員計画とは・・?

SWP(Strategic Workforce Planning):戦略的要員計画とは、3~5年、もしくはそれ以上の将来を見据え、
・適切なスキルを持つ
・適切な人材を
・適切な場所に
・適切なタイミングと
・適切なコストで
配置する方法を決定するものです。

Step1:既存人材の分析
現在の従業員を分析し、社内に存在するスキルと可能性を理解しましょう。

Step2:将来のニーズの検討
組織は5年後にどうなっているか?どのような製品とサービスをどのように提供するのか?
それらを満たすためには、どのようなスキルを持った人材が必要なのかを検討しましょう。

Step3:GAP分析
Step1で分析した現状と、Step2で検討した将来のニーズとの間のギャップを認識し、そのギャップを埋めるためにどうするかを検討しましょう。

SWPをサポートする手段

SWPをサポートする手段をいくつか見てみましょう。

タレントマネジメント(Talent Management)

タレントマネジメントとは、組織にとって特別な価値を持つ人(=将来の高い可能性がある人、もしくは現在の業務で重要な役割を担っている人)を
・惹きつけ(attraction)
・特定し(identification)
・育成し(development)
・関与させ(engagement)
・保持し(retention)
・配置する(deployment)
ことであると、CIPDは定義しています。

成長の機会が存在する文化を作ることにより、既存従業員の可能性を最大化することは、既存人材の惹きつけ・リテンションだけではなく、将来の人材を惹きつけることにもつながります。

後継者計画(Succession Planning)

対象とする役割を特定した上で、外部から採用して新しい視点を得ながら既存文化とミックスしていくのか、既存のビジネス知識と経験を活用して内部(=既存従業員)から採用するのかを検討しましょう。内部で既存人材の育成を行う場合には、タレントマネジメントとのクロスオーバーも発生します。

報酬(Total Reward)

「報酬」という単語からは給与・福利厚生・ボーナス・保険・休暇等の財務要素が連想されがちですが、非財務要素を理解することも重要です。CIPDは財務的要素に加え、総報酬に関連する次の要素を強調しています。

・意義のある仕事
・在宅勤務を含む柔軟な勤務オプション
・自由と自立
・個人の成長の機会
・管理者のサポート

財務要素のみではなく、これらの非財務要素も含めた総報酬を考えましょう。

戦略的採用(Strategic Recruitment)

人員計画に則って、採用を実施します。ターゲットにするべき人々のタイプと、そのターゲットにリーチするための最良の方法を特定し、実行します。上級HR職の方は、戦略的要員計画を実現するための採用活動に力を入れるべきでしょう。

HRは企業の事業戦略を人の面から支える必要があります。企業の事業計画にあった採用・育成が大切なのだと改めて感じました。弊社では、採用支援サービスも行っております。こちらからぜひご覧ください。