要件定義では、大まかに下記5点を行っています。
①現行業務のヒアリング
② SuperStream-NX の機能説明
③パッケージ移行の適合調査
④移行方式の設計
⑤他システムとの関連調査
かなり段階を踏みます。全部を一言でまとめると「ヒアリング」ですが。分類すると上記のような5点に分かれます。
前回の記事では、要件定義についてこんなことを書きました。
>要件定義は、仮にモジュールがGL,AP,AR,FA,PNの5つありますと、約3~4か月ほどかかります。長いと思いますか?短いと思いますか?
>私が入社した当初は、正直言って長いと思いました。ヒアリングや提案という技術自体は難しいかもしれないけど、プロでもそんなに作業時間が必要になるの?と疑問に思っていた訳ですね。
こんな感想を持っていたのは、要件定義では「ヒアリングを行う場所だ」という認識しか持っていなかったからなのです。
実際にヒアリングする内容を洗い出すと上記5点は必要になるため、時間がかかるのは当然のことなのだと認識を改めることになりました。
では、上記5点それぞれがどのような作業を行っているのか、簡単に紹介していきます。まずは、①現行業務のヒアリングから。
ここでは、 SuperStream-NX を導入する前に現時点での財務会計の運用状況についてヒアリングします。
・支払管理、債権管理等は行っているのか(行っている場合はどのようなフローなのか)
・どのような帳票を出力しているのか
・現時点ではどのようなパッケージを利用しているのか
などなど。現在の運用フローを聞きながら、SuperStream-NXではどの機能で対応可能か?ということを我々の頭の中で組み立てていきます。
契約前にも、デモ等で簡単に機能について説明する時間はありますが、要件定義でも改めて SuperStream-NX の機能について説明してきます。
契約前のデモと何が異なるのかというと、①で現行運用フローについてヒアリングを行っているため、お客様にとって必要となるであろう機能についてより詳細に説明することが出来るところです。
①のヒアリングの段階で現行運用の代替案を考えているので、実際に SuperStream-NX の画面をお見せしながら、その代替案を簡単に紹介するイメージですね。
現時点で利用しているパッケージの各機能を SuperStream-NX ではどの機能が対応するのかを1つ1つ提案し、お客様に承認して頂きます。当然、現在利用されている全ての機能に対して提案を行っていくため、要件定義の中では最も時間がかかります。
時には現在利用されている機能の廃止を提案することもあります。私達はただの導入・移行屋さんではなく、より良い財務会計の仕組みを提案することが仕事であり、 SuperStream-NX はあくまでツールとして利用しているのです。
このフェーズは必要があればのお話ですが、現行システムを廃止し、現行システム内にあるデータを全て SuperStream-NX へ移す場合に行います。
SuperStream-NX へデータを移行する方法について提案し、お客様に承認して頂く場です。 SuperStream-NX への移行方針については様々な方法があるので、その中で我々が最適だと思う方法についてご提案し、OKをもらいます。
移行する際に必要な、お客様側で行う作業についても説明します。ここで、今後の作業についての覚悟を持って頂きます!変化には痛みが伴うと言われますからね・・・。少々大変な作業もあります。
変化後のメリットを考えると、頑張って乗り越えたい山ですね!
現在利用しているパッケージと連携しているシステムについて確認します。会計以外の業務システムと連携している場合、 SuperStream-NX ではどのように対応すべきか検討する必要があります。
業務システムに限らず、Excelやcsvによるデータの取込を行っている場合についても確認する必要があります。もしくはパッケージから出力されたExcelでマクロを組んで管理会計データとして利用しているかどうかも確認必須です。現在利用されているExcelやcsvのデータをそのまま SuperStream-NX で利用出来る、出力出来る、ということはまずありません。
ヒアリングをしていると、意外とここの情報について教えて頂けない事が多いんですよね。隠している訳ではなく、ヒアリングのタイミングではお客様側が見逃していたということがあります。
要件定義で「出力したExcelでマクロは組んでないよー」と言われ一安心
↓
運用テストで、実はマクロを組んでいた事実が発覚
↓
マクロを新しく作り直す必要が発生
こんな事が起きたりします。要件定義に参加していない他の経理さんが実はマクロ組んでました、という時に発生しやすいかもしれないですね。
本番稼働がすぐ間近だった場合、お客様も私達もあわあわしてしまいます!出来るだけ避けたい事象なので、⑤の場では念入りに確認していますよ。
・・・といっても、システム導入のようなプロジェクトに慣れていない場合、見逃すのは仕方ないことのようにも思います。なので、実際に発生した場合は、「お客様と私達で協力し合いながら乗り越えましょう!」という感じですね。ある意味、両者間の絆は強くなるかもしれません。