一般原則
 ▼真実性の原則
 ▼正規の簿記の原則
 ▼資本取引・損益取引区分の原則
 ▼明瞭性の原則
 ▼継続性の原則
 ▼保守主義の原則
 ▼単一性の原則

企業会計原則注解
 ▼重要性の原則

今回は残りの単一性の原則と重要性の原則をみていきます。

<単一性の原則>

“株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。”

企業は報告目的によって異なる形式の財務諸表を作成することがありますが、それぞれの財務諸表は正規の簿記の原則に従って作成された単一の帳簿を基礎として作成されたものでなければなりません。

単一性の原則は二重帳簿を禁じ、実質的に一つの数値を複数の形式で表現するという帳簿と財務諸表の関係を定義する原則です。これを「実質一元・形式多元」といったりします。

<重要性の原則>

“企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、正規の簿記の原則に従った処理として認められる。”

重要性の原則は、 一般原則 ではありません。企業会計原則注解で述べられている原則で、簡単に言えば、重要性に乏しいものは簡便な処理・表示をしてもかまわない、という内容です。
これは同時に、重要性が高いものについては厳密な処理を行うことを要請しています。

何が重要で、何がそうでないかの判断基準は「利害関係者の判断を誤らせるか否か」にあります。
それは金額の大小による「量的重要性」と、科目の内容などによる「質的重要性」とに分類できます。

例えば消耗品を購入時に全額費用処理することが認められているのも、重要性の原則の適用によるものです。
本来、未使用の消耗品は資産として貸借対照表上に表示すべきですが、重要性が乏しいと判断されるために省略され、簿外資産が生じることとなります。

<おわりに>

今回で企業会計原則の 一般原則 についてはおしまいです。
一般原則 自体に違反しても罰則などはありませんが、個々の会計基準は 一般原則 に沿う形で作られています。
会計基準の理解のためにも、 一般原則 とその趣旨は押さえておきたいですね。

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