財務会計の意義
会計の定義を大まかに言うと、
“会計とは、経済的事象を貨幣数値を尺度として一定の方式により
記録・計算・報告する行為のことである。”
となります。
皆さんは、外食をしたときに、「お会計お願いします」と言った経験はありませんか?「お会計」という呼び方は本来お客さん側ではなく、お店側の呼び方だそうです。
食事の代金を「記録」・「計算」し、支払額をお客さんに「報告」するのはお店側だからでしょうか。
定義をもう少し柔らかく言い換えてみましょう。
会計とはお金という単位を使って記録・計算を行い、最終的に誰かに
報告を行う行為のことです。
このときの記録・計算の方法や報告相手はルールにより異なります。
特に財務会計と言った場合、記録・計算の方法は簿記であり、
報告先は利害関係者を指します。
財務会計には二つの意義があるといわれています。
それは、情報提供機能と利害調整機能です。
順に見ていきましょう。
“情報提供機能とは、財務諸表等により利害関係者へ必要な情報を報告する機能のことである。”
利害関係者とは、報告主体と直接的・間接的に利害関係を有する
者のことです。「ステークホルダー」とも言います。
例えば投資家や債権者です。
彼らは企業がこの先どのように成長していくのか、またはその企業に支払能力があるかどうか知っておく必要があります。
続いて利害調整機能です。
“利害調整機能とは、利害関係者間に利害の対立が起きた場合、その利害を調整する機能のことである。”
少し難しいですね。
企業と様々な利害関係者の間にはそれぞれの対立関係が存在しています。
例えば投資家の場合、企業が儲けた分は可能な限り配当してほしいですよね。
債権者はきちんと返済してもらわなくてはなりませんし、見合う利息の支払いも期待します。
従業員は報酬の支払いを求めますし、国は税金の納付を求めています。
誰か一人の要求を最大限かなえてしまうと、他の利害関係者が損をしてしまいますよね。
そのため、財務会計では企業の状況や経営成績をルールに基づいて報告することで利害関係者が納得するような配分を定められるようにしています。
いかがだったでしょうか。
財務会計における様々なルールは今回説明した財務会計の意義を果たすために定められています。
次回からはこのルール側に踏み込んだ話をしていきたいと思います。