本記事では、医療DX の初心者の方向けに基礎的な考え方を解説します。
SSKCではこれまで医療機関向けに、医療DXの一環としてバックオフィスの業務効率化や生産性の向上等の支援をしてきました。お客様の課題として多いのが、「医療DXは何から手を付ければ良いのか分からない」「事業計画の立て方が分からない」「そもそも何をしたら医療DXと言えるのか・・・」という声です。
医療DX が何故求められているのか、それを進めることによりどのような効果があるのかを初めに理解し、そのうえでDXを進めるプロセスを踏まえた事業計画を立てていくことでスムーズに進めやすくなります。これから医療DXを進めていきたいという方は、ぜひご覧ください。
また、SSKCでは実績に基づいて、医療DX施行計画から実行まで支援しています。医療DXで課題がある方はお気軽にご相談ください。サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)は、医療機関におけるデジタル技術の活用と組織的な変革を指します。
日本の医療業界の現状を鑑みると、様々な課題が発生しています。少子高齢化、人手不足、医療の地域格差など・・・。これらの課題解決や次の感染症に備えるためにも、医療のデジタル化による業務効率化やデータ共有を通じた医療の「見える化」を進めていく必要があります。
医療DXでは、さまざまなデジタル技術やツールの活用が考えられます。例えば、電子カルテの導入により、患者情報の一元管理や効率的なデータ共有を可能としたり、予約システムの導入によって待ち時間の削減や予約の柔軟性を向上させることなどが挙げられます。
しかし、手当たり次第にツールの導入をしても目的を達成できるとは限りません。各医療機関ごとに抱えている課題は異なります。それぞれの課題に適した医療DXを進めていくことが成功の秘訣となります。
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次に、医療DXの進め方をご紹介します。大きく分けると5つのステップに分かれます。
ステップ1:医療DXの導入準備と目標設定
ステップ2:事業計画の策定(予算策定と投資対効果の算定)
ステップ3:解決策・ツールの選定
ステップ4:医療DXの実施と人材活用の検討
ステップ5:データ分析による継続的な改善の実施
医療DXを始めるにあたり、まずは現状の分析と課題の洗い出しを行い、目標を設定します。この目標設定があることでこの先のプロジェクト進行がスムーズになります。そして目標に沿った事業計画を策定し、肝となるデジタルツールを選定、導入・運用していきます。
また、医療DXが進むと業務効率化により時間を創出できるようになるため、医療クラークへジョブチェンジする人を増やすなど、その活用方法についても検討する必要があります。導入後は、BIツール等を活用したデータ分析を行い、運用の見直しを行っていく必要があります。
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ステップ1:医療DXの導入準備と目標設定
①現状の分析と課題の洗い出し
まずは医療機関の現状を把握し、DX導入における課題や改善すべき領域を明確にします。例えば、厚生労働省が提示する「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(令和5年5月)」の各項目と現状を照らし合わせて、ガイドラインに満たされていない箇所を洗い出すという方法もあります。
②目標設定
医療DXの導入によって解決したい課題や達成したい目標を明確に設定します。例えば、ワークフローの自動化による業務効率化や電子カルテのバックアップによるセキュリティ強化など様々な目標が挙げられますが、現時点で最も達成したいものを明確にしていきましょう。
ステップ2:事業計画の策定(予算策定と投資対効果の算定)
①プロジェクト計画の策定
医療DXの導入に向けた具体的なスケジュールとタスクの計画を立てます。導入の期日を設けて、逆算して計画を立てていきましょう。
②財務管理と予算策定
医療DXの導入には財務面での管理が欠かせません。予算の策定や資金調達計画を立案し、実現可能な範囲を明確にしていきましょう。低予算から始めたいという場合は、比較的簡易な事務部門のワークフローの自動化から手を付けてみるなど、予算に応じた事業計画を立てていくことが大切です。
②コスト効率の追求
コスト効率の観点から導入に伴うコストを把握し、適切なコスト削減策を提案します。また、DXにより得られる収益や投資対効果(ROI)の評価も重要です。
ステップ3:解決策・システムの選定
①業務のニーズと要件の明確化
まずは、医療機関の業務ニーズと要件を明確化しましょう。例えば、予約管理や電子カルテ、在庫管理、ワークフローなど、どのような業務を効率化・改善したいのかを洗い出します。
②解決策となる手法の選定
医療DXには、様々な手法が考えられますが一般的にはシステムを導入します。しかし、医療機関によってはデジタルツールの導入ではなく、運用フローを変更するだけで解決する課題もあります。そのため不必要にシステムを導入するのではなく、解決策となる手法を模索し、何のために導入するのかを心がけましょう。
ステップ4:医療DXの実施と人材活用の検討
①プロジェクトチームの構築
医療DXを推進するためには、専門的な知識と経験を持ったプロジェクトチームの構築が必要です。チームには、現場担当者に加えて、医療システムや必要であれば会計・人事給与などの専門家も含めましょう。また、計画を実現させていくためには、具体的なタスクの設定とスケジュール管理も行う必要があります。
②コミュニケーションと関係者の参画
DXが上手く進まない原因の1つに、組織内の各部署や取引先との間で発生するトラブルが挙げられます。このことからも分かるように、医療DXの実施には関係者とのコミュニケーションが重要です。医療機関の上層部やスタッフ、患者など関係者を巻き込み、変革の意義や目的を共有しましょう。意見やフィードバックを受け入れながら、進捗報告や課題の共有を行います。
ステップ5:データ分析による継続的な改善の実施
①データの分析と評価
導入した医療DXの効果を評価するために、収集したデータを分析しましょう。例えば、患者の待ち時間の短縮や診療プロセスの効率化などの指標を定め、定期的に評価します。この評価は、改善の方向性を示す重要な手がかりとなります。
②改善活動の計画と実施
分析結果に基づき、改善活動の計画を立てましょう。具体的な課題や改善ポイントを特定し、目標を設定します。改善活動にはPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を活用し、計画的に実施していきます。
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本記事では、医療DX初心者の方向けに、基礎的な考え方やプロセスを紹介しました。
医療DXで成果を出すための一助となれば幸いです。
また、今回ご紹介した各プロセスについて、SSKCでは事業計画の作成から実施、検証まで支援を行なっております。各プロセスの全ては当然のこと、現状や予算などのご要望に応じて一部だけのサポートも提供しております。DXを進めるにあたり、疑問や課題を感じている方はお気軽にご連絡ください。サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら