今回は重要なたな卸資産を購入した時について書いていきます。

重要なたな卸資産とは

そもそも「重要なたな卸資産」とは何でしょうか。

独立行政法人会計基準のQ&Aを一部抜粋しますと、

>3 「重要性が認められる棚卸資産」とは、独立行政法人の業務の性格や貸借対照表における棚卸資産の占める割合等を総合的に勘案して決定すべきものであるが、例えば、プロジェクト等の業務に必要な棚卸資産であって、当該業務との関係から、年度末の保有高が事業年度ごとに大きく変動するようなものが該当する
なお、事務用の消耗品等、経常的な事務処理を円滑に行うため通常一定量を保管しているものについては「重要性が認められる棚卸資産」には該当しないものとして取り扱う。
(出典:「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」Q&A p.126)

「年度末の保有高が事業年度ごとに大きく変動」とあるので、経常的に流出するような棚卸資産は含まれていないということです。販売目的で保有している棚卸資産は含まれません。

「プロジェクト等の業務に必要な棚卸資産で年度末の保有高が大きく変動する」ということは、プロジェクト達成のため、とある時点で使い切る棚卸資産と言い換えても良いかもしれません。


重要なたな卸資産を運営費交付金で取得した場合

では、重要なたな卸資産を取得した場合の収益化はどのようにして行うのでしょうか?

償却資産を購入した時と同じような処理になります!
運営費交付金債務 ×× / 資産見返運営費交付金 ××

そして、たな卸資産を費消した時にはこのようになります↓
資産見返運営費交付金 ×× / 資産見返運営費交付金戻入 ××

重要なたな卸資産は、プロジェクト業務で実際に費消されるまでは資産見返負債となります。実際に費消された時に費用と収益を対応させたいので、それまでは収益化しないということですね。

以上、重要なたな卸資産を取得した時の会計処理でした。

これで 運営費交付金 の収益化に関するお話は終了となります。
もし誰かのお役に立てたなら幸いです。

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