一般原則
 ▼真実性の原則
 ▼正規の簿記の原則
 ▼資本取引・損益取引区分の原則
 ▼明瞭性の原則
 ▼継続性の原則
 ▼保守主義の原則
 ▼単一性の原則

企業会計原則注解
 ▼重要性の原則

今回は、継続性の原則から保守主義の原則までを見ていきたいと思います。

<継続性の原則>

“企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。”

継続性の原則は、一度選択した会計処理の原則、手続きを継続して適用することを要請する原則です。
この原則が必要とされるのは、利害関係者の判断を誤らせないようにするためです。

例えば減価償却費の計算方法などは、ある程度企業で自由に選択することができますが、選択した方法によっては費用が増大したり、過小となったりします。
つまりは企業が自己の判断で利益を過大に計上することも、過小に報告することもできてしまうということです。

会計処理の方法の選択自体は企業の経営形態に合わせてふさわしいものを選択するべきなので、個々の自由を認めないわけにはいきません。

そこで、一度選択した会計処理の方法を正当な理由なく変更しないようにして、企業が恣意的に利益を操作することを防いでいるのです。
もちろん、事業形態の変更などがあった場合に、よりふさわしい会計処理の方法に変更することは、継続性の原則に反することにはあたりません。

<保守主義の原則>

“企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。”

保守主義の原則は、その名の通り、保守主義に基づいた会計処理を要請する原則です。

競争社会の中では、あらかじめ将来の危険に備えて慎重な判断に基づいた会計処理を行う必要があります。
具体的には、計上できる費用はなるべく漏らさず計上し、収益はなるべく小さく計上しようというものです。
これにより、利益額が最小化されるため、配当や税金等による資金の社外流出を防ぐことができます。

とはいえ、今までと言っていることが違うのでは、と思う方もいるでしょう。
そんなことをしていたら、企業側が利益額を恣意的に操作してしまい、利害関係者の判断を誤らせてしまいますね。

よって、保守主義の原則で要請される適当に健全な会計処理とは、「他の諸原則の枠内で」という前提がつきます。
今まで見てきた一般原則に反しない範囲で、できるだけ小さく利益を計上しましょう、ということなのです。

<おわりに>

今回も企業会計原則の 一般原則 の一部を紹介しました。
次回も引き続き残りの 一般原則 についても詳しく見ていきたいと思います。

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