退職した場合の医療保険

普段会社から給料を貰っている方は、給与明細を見た際に「健康保険料」という名前で給料から金額が引かれているかと思います。これを払っていることで、医療保険に加入していることになります。

また家族が 健康保険 に入っており、その扶養に入っている場合(専業主婦・主夫や子ども)は、保険料を負担することなく、医療保険に加入することになります。

そこで、会社を退職した場合、どのように医療保険に加入することになるでしょうか。

①国民健康保険(国保)に加入する

1つ目は、国民健康保険(国保)に加入する方法です。
一般的には、会社を退職すると勤務先で加入している 健康保険 (健保)から抜けることになるため、国民健康保険(国保)に加入することになります。
国保には扶養という概念が無いため、健保に加入していた時に扶養に入っていた被扶養者も扶養から外れ、国保に加入することになります。
つまり、会社に勤めていた時は健保の扶養に入っていた家族の分も、それぞれ国民健康保険料を払わなくてはいけなくなるということです。
また、国保の保険料は前年度の所得により算定されるため、退職金等で所得が大幅に上がることで翌年の保険料が高額になる場合があります。

②入っていた健保を継続する

2つ目は、入っていた健保を継続する方法です。
以下の条件を満たす場合、加入していた健保を2年間継続することができる「任意継続制度」を利用することができます。

①    退職まで2か月以上健保に加入していたこと
②    退職から20日以内に任意継続を申し出ること

任意継続時の保険料は退職時の標準報酬月額に保険料率をかけた額となり、基本的には保険料自体は在職時と相違なく、原則2年間変更がありません。が、負担額が大きく変わります

在職中は、保険料は会社と折半で支払うことになっています。しかし退職後は全額自分で負担することになるため、支払う額が単純に2倍になることになります。

③健保に加入している家族の扶養となる

3つ目は、健保に加入している家族の扶養となる方法です。

健保に加入している家族がおり、自身が扶養に入るための条件を満たしている場合にその扶養に入る方法です。
年収130万円未満であり、被保険者の年収の1/2未満であること等の条件がありますが、保険料の支払額が最も少ない方法であると思われます。

おわりに

以上をふまえて、 健康保険 の任意継続と国保の比較を行うと、扶養家族がいない場合は、退職後に支払う 健康保険 料が2倍となるより、国保の額の方が小さくなるケースの方が多いです。

しかし、扶養家族がいる場合、任意継続だとこれまでと同様に被扶養者としての資格を継続できるため、家族が多い場合には国保より保険料が安くなる場合があります。

健康保険の加入する団体、扶養家族の数によって保険料が変わることや、健保、国保ともに保険料の上限があるため一概にどちらの額が小さくなるかは専門家に相談することをおすすめします。

また補足として、国保と健保だと出産手当金や傷病手当金の有無の違いもあるため、そちらも注意が必要です。

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