ハイブリッドワーク環境下での人材獲得 ~30人の会社のテレワーク Vol.65 ~
2022年1月7日更新の弊社HRM推進室のコラムでは、「大量退職(The Great Resignation)」についてお伝えしました。
大量退職に伴い、人材の獲得競争も過熱してくることが予想されます。テレワーク/ハイブリッドワークを実施している会社では、どのようなことを考えれば良いのでしょうか?
今回は、イギリスのHRサイトPeople Management より、ハイブリッド下での人材獲得についての記事をご紹介します。
ー引用ここからー
ハイブリッド環境下で人材獲得に勝つ/負ける理由
16 Dec 2021 By Nicola Downing「大量退職」を乗り切るために、企業は従業員に彼らが望む柔軟性を与える必要がある。Nicola Downingは言う。全ての企業は、企業の良さはそこで働く人の良さと同様である、というシンプルな原則を共有している。パンデミックにより、この原則が明るみになった。
しかし、多くの従業員にとって、その気持ちは相互に関係しておらず、「大量退職」と呼ばれる比類のない速度で、仕事を辞めている。一部の人にとって、自宅での余分な時間は、キャリアを再考し、何か新しいことを始めるための機会となった。多くの人にとって、退職の決断は、パンデミック下での仕事上のネガティブな経験と相互に関連していた。
リコーヨーロッパの調査によると、3分の2(65%)の雇用主が、リモートで働く従業員を完全には信頼していない。この信頼の欠如が従業員がより良い仕事を探す一因となっていることはほぼ確実である。テクノロジーも大きな役割を担っている。研究によると、3分の1以上の従業員がテクノロジーの問題のために、仕事にモチベーションやエンゲージメントを感じるのに苦労している。士気に影響するだけではなく、お粗末なテクノロジーは生産性にも影響を与える。実際に、日々の雇用主の認識と従業員が直面している現実との間には、明らかな不均衡がある。従業員の主な不満は、より価値のある活動を妨げる、価値が低いタスクと管理で身動きがとれなくなっていることである。多くの上司が見逃したり、過小評価しているのはフラストレーションである。
一部のビジネスリーダーは、人材を惹きつけるために、ハイブリッドワークを提供することの重要性を認識している。パンデミックが始まって以降、リモートワークの求人情報は190%増加している。一部の人の間では、以前から言われていることの意味がやっとわかってきてはいるものの、ビジネスの世界の多くでは、まだ長い道のりがある。雇用主にとっての課題は、それぞれの従業員が同じことを求めているわけではないため、ハイブリッドワークへのワンパターンのアプローチをとることができないことである。例えば、若い人はオフィスに行くことを好むと言われている。一方で子育て中の従業員は自宅で働くことを好むとの報告がある。女性の多くが、自宅で仕事をすることは仕事を進める上でも役に立つと感じていることがBBCの調査により明らかにされた。現在もしくは未来の従業員が離れてしまうことを防ぐために、ハイブリッドワークポリシーには多様性を反映しなければならない。
リコーヨーロッパでは、半分の時間を自宅で、半分の時間をオフィスで過ごすことを選ぶことができるハイブリッドワークポリシーを作成した。このようなポリシーにより、従業員が自身の権利であるワークライフバランスを追求することを可能にし、現代的で柔軟な働き方を求めている有望な従業員を惹きつける。文化風土に焦点をあて、働き方の現実を尊重する企業は、より創造的で、生産性が高く、モチベーションが高い従業員に恵まれている。そして、より幸せで、より創造的な従業員は、顧客のために一層の努力をする可能性が高くなる。したがって、従業員と顧客のリテンション(定着)を同時に改善することを促進する。
オフィスは決してなくならないし、なくなるべきではない。オフィスはコラボレーション、アイデア創出、同僚との関係構築に最適な環境であり、これからも常にそうである。ハイブリッドワークにより従業員は両社それぞれの長所を活用することができる。
従業員に「ニューノーマル」を確立する機会を提供することは、従業員のポジティブな経験とリテンションのために極めて重要である。しかしながら、人材獲得競争はそこで終わりではない。2番目の、そして達成するべき、より繊細な均衡は、従業員がどこからでも働ける包括的な文化を育むことである。もし、従業員がテクノロジーの不均衡により、自宅ーもしくはオフィスーから働くことが不利な立場にあると感じたら、「大量退職」のリスクが復活する。
最新の研究により、雇用主の3分の1(36%)が、場所に関わらず生産性を維持するために必要なツールやテクノロジーを提供していることが分かった。さらに、今後12か月の間に週5日、オフィス勤務に戻ると信じている上司は4分の1(27%)しかおらず、ハイブリッドワークツールへの投資の欠如に疑問を投げかけている。
必要とされているツールを整備することは、実はとてもシンプルである。従業員が同じチームで働いているということを感じられるようにすることの重要性を意思決定者に警告することにこの課題は根差している。現在の状況では、人材を勝ち取れるかどうかはハイブリッドワークポリシーにかかっている。トップに立つためには、生産的なハイブリッドワークというパズルの中で、柔軟性と効果的なテクノロジーが最重要なピースであることを、企業は認識しなければならない。
ー引用ここまでー
注)Nicola DowningはリコーヨーロッパのCOOである
https://www.peoplemanagement.co.uk/voices/comment/why-battle-for-talent-will-won-lost-over-hybrid-working
私は、子育ての関係で、パンデミック以前、まだ「ハイブリッドワーク」という言葉もない頃から、オフィス勤務と在宅勤務の組み合わせで働けていました。当時を振り返ると、自宅で仕事をしてはいたものの、「みんなより早く退社して申し訳ない」という気持ちが少なからずあったように思います。テレワークの導入により、みんながテレワークになったことにより、引け目のようなものが解消された気がします。
ライフステージにより、人は働き方を変えます。その人にあった柔軟な働き方を選べることは、求職者にとって重要な条件の1つであると言えるでしょう。
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